リノベーションと私。Vol.03 物件契約

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リノベーションと私。Vol.03 物件契約

3時間くらい

物件契約は売主の不動産仲介会社でおこなった。駅前の高層ビルの一室で、窓の外は大阪の街を一望できた。私が到着した時はまだ売主はおらず、私と不動産会社の方(私の依頼した仲介会社と売主の仲介会社)の3名だけだった。

複数枚の契約書を渡され、不動産会社の方が契約内容をひとつひとつ読み上げていき、不明な点があれば質問する。一枚一枚丁寧に確認していくので、最終的に3時間弱の時間を要した。

売主

15分くらい後に売主が到着。60代ぐらいの男性で私の両親より少し若いだろううか。同席のうえ、契約書の読み上げを続けお互いに何枚もサインし押印した。

手付金

私は現金100万円を鞄からだし、売主に渡した。売主は私の目の前で枚数を数えていた。領収書を受け取り手付金の授受は無事終えた。

世間話

仲介会社の方が席を外し、しばらく待つ事になった。
その間、売主と少し世間話をした。

マンションのこと、自治会のこと、隣人のこと。
売主の息子さんのこと、家業のこと。
私が銭湯が好きだということ。売主も銭湯が好きで、実はマンション近くに私の知らない銭湯があったということ。
売主がマンションを購入したのが私ぐらいの年齢の頃で、それから今まで、自分の人生の大半をそのマンションで暮らしており、たくさんの思い出があるということ。

手付金の授受が無事終わり緊張の糸が切れたかのもしれいない。色んな話を聞いたし、私も話した。

風船

契約書には今日の日付が書かれていた。よく考えると、父が亡くなってちょうど一年だ。
そんな事を思いながらふと窓の外を見ると、高層ビルの間を萎びた風船が風に押されて昇っていった。

「あ」と声を出してしまいそうになったが、かみしめた。
こんな事もあるものなんだなと、心の中で呟いた。

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